「HeyGen」は月間246,000件、「Synthesia」は月間90,500件検索されています(出典: aramakijake「HeyGen」検索データ / aramakijake「Synthesia」検索データ、2026年7月13日確認)。
合わせて月33万件を超える検索需要がありながら、セキュリティ認証や請求書払いの可否まで踏み込んで比較した記事は見当たりません。
この記事では、海外勢のSynthesia・HeyGen、国産のPIP-Maker・VideoBRAIN・AvaMoを一次ソース16件で横並びに検証し、選定の判断材料として整理します。
国産3社はいずれもISO27001等のセキュリティ認証を公式に取得しています。詳細は各社の項で出典つきに示します。
料金や機能だけでなく、データの保管場所と契約通貨まで確認してから比較検討を始めると、社内稟議がスムーズに進みます。
結論|日本企業がAI動画ツールを選ぶときに見る3つの軸
結論から述べると、海外SaaSのSynthesia・HeyGenはグローバルでの導入実績と多言語対応の広さに優れ、国産3社は商習慣対応と国内サポートに優れています。
自社に合うツールを選ぶ軸は、次の3つです。
- 日本語品質(音声の自然さ・UI・サポート言語)
- セキュリティ認証とデータ所在(ISO27001等の有無、データセンターの所在国)
- 商習慣対応(請求書払い・円建て契約の可否)
以降、この3軸を一次ソースで検証したうえで、6軸の選定マトリクスと国内外の実名事例を紹介します。
Synthesia・HeyGenの基本|料金・アバター数・言語対応
この2つのSaaSは、どちらもテキストや音声からアバターが話す動画を生成するツールです。まず料金体系とアバター数、対応言語を整理します。
Synthesiaの料金プランと機能
Synthesiaは無料のBasicプラン(月10分・アバター9体)に加え、Starter(月額29ドル、年払いなら月18ドル)、Creator(月額89ドル、年払いなら月64ドル、月30分・APIアクセス付き)、要見積もりのEnterpriseまで4段階です(出典: Synthesia公式料金ページ、2026年7月13日確認)。
2025年1月にはシリーズDで1億8,000万ドルを調達し、評価額は21億ドルに達しました。日本のVC「WiL」が新規投資家として参画しており、日本を主要な市場のひとつとして位置づけている点も公式発表に記載されています(出典: Synthesia公式プレスリリース)。
HeyGenの料金プランと言語対応
HeyGenは無料プラン(月3本・透かしあり)から始まり、Creator(月額29ドル、年払い24ドル)、Pro(月額49ドル、4K出力)、Business(月額149ドル、カスタムデジタルツイン5体・SAML/SSO)、要問合せのEnterpriseまで5段階です(出典: HeyGen公式料金ページ、2026年7月13日確認)。
リップシンク対応言語は175言語以上で日本語も含まれます(出典: HeyGen公式料金ページ)。
日本語品質はどちらが優れているか
日本語音声の自然さについて、Synthesiaは訛りが残るという評価が比較記事に複数見られます。一方でHeyGenのリップシンクの方が自然という指摘も複数あります。
ただしいずれも第三者機関のベンチマークではなく、公式の品質保証データもありません。音声合成の技術的な違いを詳しく知りたい場合は、次の記事で仕組みから比較しています。
セキュリティ・データ所在で見る違い
セキュリティ認証とデータの保管場所は、法務・情シス部門が契約前に必ず確認する項目です。
Synthesiaが取得している認証
SynthesiaはSOC2 Type IIに加え、ISO/IEC 27001:2022、ISO/IEC 27701:2019(プライバシー情報管理)、ISO/IEC 42001:2023(AIマネジメントシステム)を取得しています。
顧客データはEU、アイルランドのデータセンターに保管され、バックアップはAWSフランクフルトリージョンです(出典: Synthesia公式Trust Center)。
HeyGenが取得している認証
HeyGenはSOC2 Type IIを取得し、GDPR・CCPA・EU-US Data Privacy Frameworkに準拠しています。年次の第三者ペネトレーションテストも実施しています(出典: HeyGen公式セキュリティページ)。
公式セキュリティページとヘルプセンターを確認した範囲では、ISO/IEC 27001認証の記載は見当たりませんでした(出典: HeyGenヘルプセンター、2026年7月13日確認)。取得状況は変わる可能性があるため、契約前に直接確認することをおすすめします。
データセンターの所在地
Synthesiaのデータ保管はEU(アイルランド)、HeyGenは米国のAWSインフラです。データの越境移転を気にする金融・医療系企業は、この違いを契約前の確認項目に加えておくと安心です。
商習慣で見る違い|請求書払いと円建て契約
日本企業が実務で直面するのは、為替変動と請求書払いの可否です。ここは競合の比較記事6本のいずれも扱っていない空白でした。
- Synthesia: Enterpriseプランのみ個別交渉、標準プランはドル建てカード決済のみ
- HeyGen: Enterpriseプランで「Invoice billing」に公式対応、標準プランはドル建てカード決済
- 国産3社: 標準プランから円建て・銀行振込請求書に対応(AvaMoで確認済み)
HeyGenのInvoice billing対応
HeyGenは公式ヘルプセンターで、EnterpriseプランにおけるInvoice billing(請求書払い)対応を明記しています(出典: HeyGen公式ヘルプセンター)。
ただし日本法人の有無や円建て請求の可否は、今回の調査範囲では確認できませんでした。導入前に直接問い合わせることをおすすめします。
Synthesiaは個別交渉が前提
Synthesiaの標準プランはクレジットカード決済のみです。請求書払いはEnterpriseプランでの個別相談が前提で、公式ページ上に円建て請求書払いの標準提供は確認できませんでした。
国産3社は標準プランから円建て対応
AvaMoはEnterpriseプランで「毎月初めに請求書をメールで送付」「銀行振込対応」を公式に明記しています(出典: AvaMo公式サイト)。
円建て・国内商習慣への対応は、グローバル2ツールとの明確な違いです。
国産という選択肢|PIP-Maker・VideoBRAIN・AvaMo
PIP-Maker、VideoBRAIN、AvaMoの3社は、いずれもISO27001等のセキュリティ認証を公式に取得しています。国内法人としての強みが表れる領域です。
PIP-Maker(4COLORS株式会社)
PIP-Makerはスタンダードプラス(月額49,800円〜、税込54,780円〜、動画枠5枠)から始まり、上位プランは要問い合わせです(出典: PIP-Maker公式プランページ、2026年7月13日確認)。
運営元の4COLORS株式会社は、ISO/IEC 27001:2022とJIS Q 27001:2023を2024年8月28日付で再取得しています(認証番号MSA-IS-271)(出典: PIP-Maker公式ニュース)。
導入社・校数は850社にのぼり、トマト銀行など金融機関の実名事例も公開しています(出典: PIP-Maker公式サイト、2026年7月15日確認)。国内法人限定サービスで、日本語でのサポート体制も整備済みです。
VideoBRAIN(株式会社OPEN8)
VideoBRAINは累計1,100社以上が導入し、日経225構成銘柄の50%以上が活用しています(出典: VideoBRAIN公式サイト、2026年7月13日確認)。
一部の第三者記事では40%以上という表記も見られますが、本記事では公式サイト直接記載の数値を採用しています。運営元のOPEN8は、ISO/IEC 27001:2022、JIS Q 27001:2023、プライバシーマーク(JIS Q 15001)を取得しています(出典: VideoBRAIN公式サイト)。
料金は完全カスタム見積もり制で、公式サイトに料金は非公開です。
AvaMo(株式会社オフショアカンパニー)
AvaMoはベクトルグループの新興サービスで、Free(無料・月3分)、Starter(月額4,980円)、Pro(月額22,000円)、Enterprise(月額100,000円〜)の4段階です(出典: AvaMo公式サイト)。
ISMS(ISO/IEC 27001)認証を取得済みで、価格帯は国産アバター系の中でも最安値水準です。2025年5月開始のため導入事例はまだ少なく、BtoC広告・マーケティング寄りの用途が中心です。
このほか、株式会社Mavericksが提供するNoLang for Businessは、法人導入企業数が100社を突破しています(出典: PR TIMES / STRAIGHT PRESS公式配信、2026年4月27日発表)。同社は「スライド作成から動画化までを一気通貫で実現できる」と位置づけていますが、この主張は自社発表であり第三者検証はありません。
営業特化のインタラクティブ動画SaaSを提供していたLOOV社については、TALKsmithへ名称変更した形跡があります。現行の提供状況は本記事執筆時点で確認できていないため、検討する場合は最新の公式情報を確認してください。イスラエル企業のD-IDも、グローバルのもう一つの選択肢として名前が挙がりますが、本記事の主要な比較対象には含めていません。
SaaS型のAIアバター活用をより広い視点で知りたい場合は、次の決定版ガイドが参考になります。
選定軸マトリクスで見る|自社はどのツールを選ぶべきか
ここまでの内容を、6つの軸に整理します。
6つの選定軸で比較する
- 日本語品質: Synthesiaは音声にやや訛り、HeyGenはリップシンクが自然という評価。国産3社は音声・UI・サポートとも完全日本語
- 商習慣対応: Synthesiaは個別交渉のみ、HeyGenはEnterpriseで請求書払い対応、国産3社は標準プランから円建て対応
- セキュリティ認証: Synthesiaが最多(SOC2・ISO27001・27701・42001)、HeyGenはSOC2のみ確認、国産3社はISO27001とPマーク
- データ所在: SynthesiaはEU、HeyGenは米国、国産3社は個別確認が必要
- 国内サポート: Synthesia・HeyGenは英語中心、国産3社は電話・メールで日本語対応が標準
- 事例の性質: Synthesiaはグローバル大企業に加え国内実名事例あり、HeyGenはグローバルSaaS中心、国産3社は国内中堅・金融機関中心
自社はどの列に当てはまるか
日本語での問い合わせ対応と円建て請求を優先するなら、国産3社が候補になります。特に金融機関等の規制業種は、PIP-Makerが銀行・保険の実名事例を公開している点が参考になります。
グローバル展開や多言語対応、豊富な事例数を優先するなら、SynthesiaかHeyGenが候補です。認証の多さで選ぶならSynthesia、日本語リップシンクの自然さで選ぶならHeyGenという評価が競合記事でも共通しています。
コストを最優先するなら、AvaMoのStarterプランやSynthesiaのBasicプランから試し、必要に応じて上位プランへ移行する進め方が現実的です。
実際に使われている国内外事例
ここでは実際の導入効果を、各社が公開する導入事例の数字で見ていきます。
国内実名事例:Synthesia×HENNGE
東京拠点の上場クラウドセキュリティ企業HENNGE株式会社は、決算説明動画にSynthesiaを採用しました。
制作期間は5日から2.5日へ50%短縮し、経営陣2名のカスタムアバターを日英2言語で作成しています(出典: Synthesia公式ケーススタディ)。
Synthesia×DuPont・HeyGen×Pyne AI(グローバル事例)
化学メーカーのDuPontは、Synthesia導入で制作速度が80%高速化し、1本あたり1万ドル以上のコストを削減しました。対象は23,000人以上、120言語対応です(出典: Synthesia公式ケーススタディ)。
採用企業のPyne AIは、HeyGenを使った製品デモ動画でCVRが2.3倍に向上し、エンゲージメントは10倍になりました(出典: HeyGen公式カスタマーストーリー)。
PIP-Maker×ネットセーブ(国内事例)
コールセンター研修を手がけるネットセーブ社は、PIP-Maker導入で研修コストを455万円から128万円へ70%削減、年間の研修担当者労働時間を2,844時間から804時間へ72%削減しました(出典: PIP-Maker導入事例)。
まとめ|HeyGen・Synthesia・国産ツールをどう選ぶか
海外SaaSの2社は、グローバルでの導入実績と多言語対応でBtoB企業の第一想起になっています。国産のPIP-Maker・VideoBRAIN・AvaMoは、商習慣対応と国内サポートで独自の強みを持っています。
日本語品質、セキュリティ認証とデータ所在、商習慣対応という3軸で照らし合わせれば、機能スペックの比較だけでは見えなかった自社に合うツールが絞り込めます。
動画生成AIという技術そのものの全体像や仕組みを知りたい場合は、以下の記事で整理しています。
アバターとデジタルヒューマンという2つの用語の違いを整理したい場合は、以下も参考になります。
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